究極のセールスレターは読むな!?辛口な書評と内容の要約まとめ
2021/05/10
セールスコピーライター・ウェブマーケター。「コピーライティング」「セールスコピーライター」でGoogle検索1位獲得。自身のコピーライティング技術をメルマガで全て無料公開していて読者は7000人超。
今回の記事では、ダン・S・ケネディ著(神田昌典監訳)『究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つお客様の心をわしづかみにするためのバイブル』について、ちょっと辛口な書評と、書籍の内容や目次をまとめています。
詳しくはこの記事に書いていますが、もっと分かりやすい本がたくさんあるなぁという印象です。
純粋にライティングのテクニックを学ぶなら「現代広告の心理技術101」のほうが勉強になりますし、セールスレターの全体像を学ぶなら「最強のコピーライティングバイブル」のほうが分かりやすく要点を絞ってまとめられています。
この2冊に関しては以前に書評・レビューを書いていますので参考にしてみてください。
究極のセールスレターを買おうか迷っている人、セールスレターの書き方を勉強しようと思っている人の参考になれば嬉しいです。
【関連記事】
※売れるセールスレターの詳しい書き方・作り方については「書き方を学ぶだけでは危険!セールスレターの作り方を完全解説」の記事で、たった1つのレターで2000億円を稼ぎ出した歴史的成功事例を交えて解説しているので合わせて読んでみてください。
目次
究極のセールスレターの内容・目次まとめ
『究極のセールスレター』に書いてある内容は、アメリカのダイレクトマーケティングの権威ともいえるダンケネディが教えるセールスレターの書き方です。
本書では「セールスレターを書く手順」として28のステップが紹介されています。
セールスレターの書き方28ステップ(目次より引用)
- お客を「しっかり」理解する
- 提供するものを「しっかり」理解する
- 不利な点を告白し、欠点は包み隠さず伝える
- 無事に配達させる
- 目を留めてもらう
- 読んでもらう
- 価格ジレンマに打ち勝つ
- 必勝コピーライティングのテクニックと作戦を吟味する
- 最初の下書きを書く
- 戦略的観点で書き直す
- 文体を書き直す
- 疑問・反論に答える
- いますぐ行動してもらうよう刺激する
- 追伸を工夫する
- チェックリストを確認する
- グラフィックを処理する
- 感情を込めて書き直し、冷静に編集する
- 下書きとサンプルを見比べる
- 事前テストを行う
- 手紙を最終の形にする
- グラフィック処理を変更する
- もう一度編集する
- 試作を発送する
- 冷静になる
- 他の人の意見を聞く
- 最終見直しをする
- 印刷する
- 発送する
内容はアナログなセールスレター(ダイレクトメール)が中心
上記のセールスレターの書き方28ステップは基本的に全部、アナログなダイレクトメールを前提としています。
「印刷する」とか「発送する」という手順が入っているのは、アナログならではですね。
掲載されている事例も1980年代のアメリカのものだったりとかなり古いです。
なので、「Webセールスコピー」に特化した内容は書いてありません。
以前に無料メルマガでお話したことがあるのですが、アメリカと日本では広告の文化が全然ちがいます。
アメリカに行くと分かりますが、街中に貼ってある広告の多くが「ダイレクトな表現」を使っています。
「〇〇が今なら30%オフで!月末までの限定価格です!今すぐご来店ください!」みたいなテンションですね。
ところが、日本ではそういったダイレクトな表現はあまり好まれません。どちらかというと、「共感」を狙ったような耳障りの良いキャッチコピーが書いてあって、モデルさんや有名人が広告塔になっていることが多いです。
最近のコピーライティング関連書籍だと、こういった文化の違いも踏まえたうえで、日本の新しい事例を掲載していることも多いので、『究極のセールスレター』を読むときは「あくまでもアメリカのことを書いているんだな」ということを頭の片隅に置いておくといいと思います。
現役セールスコピーライター的書評
セールスコピーライティング界では非常に有名なダンケネディの著書ということで、かなりの権威性がありますし、一読しておいて損はない本だとは思います。
しかしながら、現役でセールスレターを書く仕事をしている僕個人としては、『究極のセールスレター』を手元においているということはありません。
理由は明確で、この本ではセールスレターを書く手順を細かく説明している一方で、分かりやすい『型』を示してくれないからです。
良くも悪くも、ステップが細かく分かれすぎているんですよね。
実務的にセールスレターを書くとなると、「PASONAの法則」みたいなテンプレートにあてはめたり、『最強のコピーライティングバイブル』に書いてあるようなセールスレターの型にあてはめて考えたりと、全体的な流れから考え始めます。
そういった「型」が書いてある本のほうが、実用的だと思います。
実際にレターを書くときにカンニングするような本って、必ず『型』が書いてあります。
全体的な流れができたら、セールスレターの本文を書いていきますが、そこで必要になるのがライティングのテクニックです。
究極のセールスレターにもテクニックは書かれていますが、テクニックを専門に取り扱っている本であれば、僕がいつもオススメしている『現代広告の心理技術101』のほうが圧倒的に内容が充実しています。
さらにいうと、究極のセールスレターは「リサーチ」に関しても内容が薄いように思います。
セールスレターを書き始める前にターゲットになるお客さん・売る商品のことを分析します。
その点をふまえると、本書『究極のセールスレター』に書かれているお客さん・売る商品の分析方法は、ちょっと物足りない感じがします。
なぜなら、『【レビュー・評判を検証】ウェブセールスライティング習得ハンドブック』の記事に書きましたが、仮にターゲットが全く同じお客さんだったとしても文章を読む「文脈」が違えば伝え方は変わってくるのです。そういったことも書かれていなかった(はず)です。
なんだか書けば書くほど文句タラタラになってきましたね。
セールスライティングの巨匠ダン・ケネディに恐れ多いですが、思ったことを正直に書いています。笑
本書で紹介されている事例はアメリカのもので、しかもかなり古いものばかりなので、事例から学ぶという点においてもイマイチです。
あくまでも僕の個人的な感想ですが「全体的に中途半端」(嗚呼、恐れ多いけど言ってしまった。)というのが本音です。
Amazonでの一般的な評価は・・・?
個人的にはあまり評価が高くない『究極のセールスレター』ですが、Amazonのレビューなんかをみると概ね高評価が並んでいることも合わせてお伝えしておきます。
詳細が気になる人はAmazonで直接確認していただければと思いますが、高評価の意見としては次のようなものがありました。
- 「非常に有効な手法が紹介されている」
- 「コピーライティング初心者の私には大変参考になる」
- 「ダンケネディのエッセンスがつまったような感じの本」
一方で、低い評価としては次のようなものがあります。
- 「アメリカだからこそ必要な手法も多く、日本ではありえないことも載っている」
- 「翻訳が日本語としておかしい部分がある」
- 「セールスレター関連書籍は他にも良書がある」
【まとめ】究極のセールスレターは読むべき?
ここまでダン・S・ケネディ著(神田昌典監訳)『究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つお客様の心をわしづかみにするためのバイブル』について、目次をまとめて書評を書いてきました。
本気でコピーライティングを身につけたいのなら、コピーライティングの関連本は手当たり次第に読んだらいいと、僕は考えているので、『究極のセールスレター』も読んでおいて損はありません。有名な本ですしね。
ただし、「効率的にコピーライティングの要点をおさえたい」というのであれば、究極のセールスレターよりは上に書いたような『現代広告の心理技術101』や『究極のコピーライティングバイブル』などをオススメします。
ではでは、ありがとうござました!
コピーライター
住田辰範
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