【ブレットを書く前に】セールスコピー初心者が知っておくべき事実【正しい書き方とは?】
セールスコピーライター・ウェブマーケター。「コピーライティング」「セールスコピーライター」でGoogle検索1位獲得。自身のコピーライティング技術をメルマガで全て無料公開していて読者は7000人超。
セールスレターを書くときに“重要なパーツ”とされている「ブレット(ボレット)」。
もちろんブレットを書くことには意味がありますが、セールスレター・ランディングページ全体のなかでブレッドが占める重要度は低いという事実をご存知でしょうか?
「セールスレターの書き方」に関してはいろんな本やブログで解説されていますが、どこかで聞いた知識を焼き直したような内容が多いのも事実です。
この記事では、ブレットを書く意味や効果性について、ヒートマップツールの客観的なデータや、実際の広告の運用結果を参考にしつつ、あらためて考えてみます。
そのうえで、僕の考える「売上アップ・コンバージョンにつながるブレットの書き方」を説明します。
ブレットの書き方に興味があるということは、あなたも結局のところセールスレター全体の成約率をアップさせたいはず。
この記事を読めば、ブレットをキッカケにして「売れるセールスレターの本質」が見えてくるかもしれません。
目次
ブレット(ボレット)をセールスレターに書く意味とは?
セールスコピーにおける「ブレット」とは、商品のベネフィットを箇条書きで書き連ねた部分を意味します。
英語の「bullet」をカタカナにしたのが「ブレット」で、人によっては「ボレット」と呼ぶ人もいますが、意味はどちらも同じです。
bulletを直訳すると、銃弾、弾丸という意味で、
ベネフィットをマシンガンを乱射するように箇条書きで書き連ねることで、目に留まりやすく、どこかの言葉が見込み客の心にヒットするから、成約率アップに効果的…というのが一般論です。
ブレットの具体例をあげるならば、こんな感じ↓
3Mブログサイトアフィリエイト「LUREA plus」ルレアプラス
「セールスレターを書くときはスワイプファイルを参考にしながら、メインベネフィットをヘッドコピーとサブヘッドに書いて、ボディーコピーにはブレッドを忘れずに…」
なんて説明するとカタカナの専門用語もりもりで、いかにも専門家が正しい書き方を解説しているように感じると思います。
(読む人によっては「ルー大柴か!」と突っ込まずにはいられないと思います)
僕が声を大にして言いたいのは、セールスコピーの書き方に関する情報は「本当にそれが正解なのか?」と疑うべきだ、ということ。
この記事を読んでいるということは、ブレットの書き方を知りたいのだと思いますが、その前に「そもそもブレットは必要なのか?」を考えてみてください。
ここからはヒートマップや広告運用の結果から、ブレットを書く意味を考えてみます。
ヒートマップの客観的データで考えるブレットの意味
ヒートマップとはランディングページ(LP)やブログ記事などのWebサイトを閲覧しているユーザーが、
- どこまでスクロールしたのか
- どこを時間をかけて読んで、どこを読み飛ばしているのか
- どこをクリック(orタップ)しているのか
など、ユーザーの行動を丸裸にできるツールです。
ヒートマップを見ると、セールスレターのどの部分がどれだけ読まれているかが分かり、各パーツの重要度もよく分かります。
実例として、当サイト「コピリッチ」のメルマガ登録のランディングページのボレット部分についてヒートマップを見てください。
【参照したヒートマップについて】
- ヒートマップの元になったメルマガLPはこちらの「心を操るコピーライティング講座」を参照。
- アクセス数1321PVの集計データ
- ツールは「ミエルカヒートマップ」を使用
こちらの画像はメルマガLPのスクロールヒートマップの実際の画面です。
スクロールヒートマップでは何割のユーザーがどこまで下に画面スクロールしているかが数字で分かります。
通常、ブレットが書かれているのはLPの中盤より下であることが多く、「心を操るコピーライティング講座」のLPでも半ばに書かれています。
ブレットに到達する人はアクセス全体の24%、4人に1人くらいです。
これが多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれだと思いますが、比較対象として同じLPの前半のスクロールヒートマップを見てみましょう。
LPの最上部のヒートマップですが、そもそもワンスクロールするのが全体の8割で、2割は離脱。
そして、さらに多くの人が離脱してまともに本文を読み進めるのが約半分。
頑張ってLPを書いている身としては悲しくなる数字ですが、これが現実です。
ちなみにこのLPのコンバージョン率(CV率)は18%程度あるので、CV率自体は悪い数字ではありません。
このスクロールマップから分かるのは、LPの登録率をあげたかったらブレットよりもキャッチコピー(ファーストビュー)周りを改善したほうがいいということ。
参考記事:
素人でも簡単!キャッチコピーの作り方【名作60選をみながら考えよう】
あとは、そもそも濃い見込み客のアクセスをLPに流すことも重要です。
セールスレターやLPで成果をあげたい場合、表面的な書き方ばかりにとらわれることなく、マーケティング全体を俯瞰できる視点をもってください。
全体を俯瞰する視点については「書き方を学ぶだけでは危険!セールスレターの作り方を完全解説」の記事を読めば分かると思います。
続いて、
ユーザーがどこを熟読してどこを読み飛ばしているか「熟読率」が視覚的に分かる分析ツールである「アテンションヒートマップ」をみてみます。
こちらの画像も、先ほどと同じLPのヒートマップです。
上記の画像では、ブレット部分での熟読率の変化がわかるように、ブレットの直前も含めてキャプチャしています。
ブレット手前の文章の熟読率が6%とか8%に対して、ブレット部分は13%~15%になっており約2倍です。
数字の良し悪しはともかく、たしかにブレットをいれると、ちょっとでも読まれやすくなるのは事実かもしれません。
実は、「ブレット」というカッコイイ名前を使わなくても、単純に「箇条書き」の部分は目線が止まりやすく、熟読率があがりやすい傾向にあります。
参考までに、同じLPの上部のアテンションヒートマップも公開してみます。
やっぱり文章の内容に関わらず、上のほうがモチベーションが高くて読まれやすいですし、下にいくほど読むのが面倒になってきて、熟読率も下がる傾向にあります。
上記の事例の場合、「38万5664円」「1000万円」など“お金”の話が書いてありますが、いろんなヒートマップをみていると、仕事・ビジネス関係の記事ではお金がらみの話は熟読されやすいです。
「年収3000万円になった方法」
「貯金が1億円を超えました」
ほら、読み流していたあなたも一瞬スクロールの指が止まったはずです。笑
もちろん文字が大きくて強調されている部分も読まれやすくなりますね。
ヒートマップから分かることをまとめると、
- ブレットよりもキャッチコピーまわりを頑張って工夫・改善すべき
- ダラダラと文章を書くよりはブレット(箇条書き)を取り入れたほうが読まれやすい
盲目的に「ブレットは大事」と思うよりも、ユーザーの気持ちやマーケティング全体を俯瞰して考えましょう。
実際の広告運用の結果で考えるブレットの存在意義
“生存している中で、世界で最もパクられ、そして尊敬されているセールスコピーライター”と呼ばれるジョン・カールトン氏いわく、
単に読みやすくなるだけでなく、とても強力なライティング・テクニックで、真に優れたブレットは、それひとつで売れてしまうこともあるほどです。
―ジョン・カールトンのシンプル・ライティング・システム2.0より引用
本当にそうでしょうか?
確かにブレットは一つの重要な要素かもしれませんが、場合によってはブレットを入れない方がコンバージョン率(CV率)はあがることもあります。
広告運用でABテストの経験がある人でしたら当たり前のように知っている事実ですが、
「長文のLP」と「短いLP」を比較した場合に、短いLPのCV率のほうが高いケースもよくあることです。
特にFacebook広告なんかは、ほぼスクロールさせることのないファーストビューのみのLPからのメルマガオファーは良い数字が出ることが多いです。
この事実をみても、必ずしもボレットは重要ではありません。
それどころか、PASONAの法則やクエストフォーミュラなどのよくある「セールスレターのテンプレート」が本当にベストな選択なのかは疑ってみる余地があります。
セールスライティングのおいては、
読者の気持ちになって、自分の頭で考える
ということが一番大切です。
たとえば、無料メルマガのオファーをする場合を考えてみましょう。
長文のLPでベネフィットを並べて、不安の払しょく(リスクリバーサル)をした場合の、読者の気持ちを考えると、
- Facebook広告をみてどんなメルマガだろうかと気になってLPを読みにきて
- 登録する価値があるかどうかを見極めるために文章を読んで
- 読むメリットがありそうだし、リスクもなさそうだから登録する
…こんな心理的なプロセスを仮定しているわけです。
確かにこういう人もいると思いますが、次のようなパターンも考えられます。
- Facebook広告をみてどんなメルマガだろうかと気になってLPを読みにきて
- 中身を読んでみないとよく分からないから登録する
後者の心理的プロセスの場合だと、長々とメルマガを説明するよりも「キャッチコピー+登録はこちら!」のほうが「よく分からない=知りたくなる」気持ちを刺激して、登録率があがるかもしれません。
以上はすべて仮説です。
オファーが有料だった場合は、きちんと説明しないといけない可能性が高いでしょうし、上記の仮説以外もいろんなパターンがあるはずです。
世の中の「セールスレターテンプレート」は人間心理のよくあるパターンに基づいて作られているので、テンプレが無意味とは言いませんが…
商品やオファーの内容やターゲットにあわせて、読者の心理的な動きを想像できなければ、どんなテンプレートも使いこなせません。
すこし話が脱線しましたが、
成約率をあげるためにブレットを書く必要があるかどうかもケースバイケース
というのは、まぎれもない事実です。
売れるブレットの書き方・例文
そもそも書かない方がコンバージョンすることもあるボレットですが、ここまでの内容を踏まえて「ブレットを書いたほうがいい」と判断した場合の「ブレットの書き方」について。
ブレットを書くことの効果は、
ベネフィットを箇条書きで書き連ねることで、目に留まりやすく、どこかの言葉が見込み客の心にヒットするから、成約率アップにつながる。
まずはこの本質を頭に入れておいてください。
ブレットの書き方について、セールスコピーライターのマリア・ヴェローソ氏は著書「ウェブ・セールスコピーの法則」で次のように書いています。
ブレッドにするときは、まずはメリットを挙げ、続いて読者がそのメリットを得ると人生がどう変わるか、そのイメージを描きます。
―「ウェブ・セールスコピーの法則」74頁より引用
僕は仕事でブレットを書くときには、毎回この言葉を思い出しながら書いています。
マリア・ヴェローソ氏は同書に、「優れたコピーライターの箇条書き文を研究した」結果のブレット例文も書いています。
たたきあげの億万長者が作り上げた、相手にノーと言わせないテクニック。これさえ学べば、交渉しなくても、おのずと契約がまとまります―あたかも熟れたリンゴが勝手に手の中に落ちてくるように。
―「ウェブ・セールスコピーの法則」75頁より引用
この例文の比喩表現がチープに思えるのは僕だけでしょうか。笑
(原文は英語なので、アメリカの文化的にはスマートな表現なのかもしれません)
上記の例文を分解すると、
- 商品の内容や特徴
- 商品を買うことで得られる未来(あるいは避けられる未来)
この2つの要素が含まれていることが分かります。
もうすこし別のブレットの例文をあげると、
「甘さが自慢のリンゴ」の場合、
一般的なリンゴの糖度が12度程度といわれるなかで、糖度15度以上のリンゴだけを厳選。(商品の内容や特徴) 甘いお菓子が好きなお子さんも喜ぶこと間違いなし。(得られる未来)
「高性能のドライブレコーダー」の場合、
録画視野角130度の視野の広いカメラを搭載しているため(商品の内容や特徴) 万が一の事故のときに「大事な場面が映っていなかった!」という最悪の事態を回避できます(避けられる未来)
「これだけではイメージしにくい」という人に、もうすこし具体的に書き方を説明すると、ボレットの書き方は大きく次の2ステップ。
- 「得たい欲」「避けたい欲」の両面からベネフィットを考える
- ベネフィットを情景がイメージできる具体的な言葉で書く
それぞれ詳しく解説していきます。
ブレットの書き方1.
「得たい欲」「避けたい欲」の両面からベネフィットを考える
ブレットを考えるときに、まずは見込み客が「何を欲しているのか(得たい欲)」あるいは「何を避けたいのか(避けたい欲)」を考えます。
見込み客の欲求の理解の深さが、心に刺さるブレットを書けるかどうかに直結します。
たとえば、「甘さが自慢のリンゴを売りたい」と思ったときに、見込み客の欲求とはどのようなものでしょうか?
「とにかく甘いリンゴが食べたい」
「安くておいしいコスパのいいリンゴを選びたい」
これらも間違いではありませんが、本当にそれだけでしょうか?
そもそも、こだわりのリンゴを買う人というのは、自分で食べるためではなくて、誰かへのプレゼントかもしれません。
- お菓子ばっかり食べる子どもに、なんとか栄養をつけてもらいたいお母さん
- 入院中の友達へのお見舞いの品を探している人
- 久しぶりに孫が帰ってきて、おいしいものを食べてほしいおばあちゃん
などなど…
こういった人たちにとってのベネフィットは
- 普段は果物を食べない子どもでも食べられる
- お見舞いの品として失敗しない、喜んでもらえる
- 孫が喜ぶ姿がみたい
ということになるかもしれません。
リンゴという商品を通して、「子どもの健康」「孫の喜ぶ笑顔」を買っているわけです。
このように、見込み客の欲求を深く理解することで、より的確なブレットを書くことにつながります。
欲求が正確にわかれば、それを「できるだけ具体的な言葉」で書いていきます。
ブレットの書き方2.
ベネフィットを情景がイメージできる具体的な言葉で書く
コピーライティングでよく言われるのは、視覚・聴覚・体感覚に訴える言葉で書きましょうということ。
これはブレットを書くときも例外ではありません。
「このリンゴはおいしいです」
と書くと、なんとなく良さそうなだけですが、
「リンゴを一口かじった瞬間に、甘みがギュッと詰まった果汁が口の中に広がります」
という表現のほうが「おいしさ」が伝わると思います。
抽象的な言葉はすぐに思い付くので、ラクに書けてしまいます。
一方で、具体的に書こうとすればするほど、脳みそに汗をかくことになります…
その流した汗のぶんだけ、良いコピーになると思って頑張ってみてください!
【まとめ】セールスレターを書くときは全体を俯瞰すべき
今回の記事ではブレットを書く意義から具体的な書き方まで、僕なりの見解を書いてみました。
セールスレター・ランディングページの全体でみた場合に「ブレット」の重要性はそこまで高くありません。
最も注力すべきはキャッチコピーまわり。
それを理解したうえで、ボレットを書くのであれば
ベネフィットをしっかりとリサーチしたうで、情景がイメージできる具体的な言葉とあわせて書くこと。
- 読者の気持ちを考える
- イメージしやすい言葉で説明する
というのはブレットの話に限らず、コピーライティング全般で重要なポイントです。
そして、セールスレター成功の最大の秘訣は、ターゲティングやアクセスの流入経路などマーケティング全体を俯瞰したうえで制作すること。
全体が見えていないために的外れなコピーができあがります。
もしもあなたがセールスコピーライターの場合、全体が見えていないことでクライアントに対してベストな提案ができず、成果が出せなかったり、仕事がとれなかったりします。
コピーライティングの上達のためにも広く視野を持つことが大事だと、僕は思います。自戒の意味を込めて。
参考:
セールスレターについて書き方にとどまらずに幅広い視点で解説した記事
「書き方を学ぶだけでは危険!セールスレターの作り方を完全解説」
※ネタバレ注意※7852人が知ってるコピーライティングのタネあかし
実は、あなたが今読んでくれたこの記事にも様々なコピーライティングのテクニックを使っています。
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